仕込み
【鳴門穴子】
開きで3キロ
頭を落とし腹骨を削ぎ 背ビレを切り取り
皮目に熱湯をかけ表面のヌメリを取ります
粉を打ち 丸めて竹皮で縛ります
軽く湯通しして冷水に落とします
出汁・酒・味醂・砂糖・醤油で煮詰めます
急冷し味を馴染ませカットして 汲み上げ湯葉 一寸豆 鳴門穴子をガラス鉢に盛り
煮詰めたタレを掛け 山葵をのせたら完成です(盛り付け写真撮り忘れました💦)
【愛知三河一色産鰻】
気温の上昇と共に沢山のご注文を承っています
今年はまだ新仔が出てこないので特選「青背」6キロ
青背腹白の鰻は新仔に引けを取りません
仕入れ業者さんに厳選していただいてます
南無阿弥陀仏! 何度やっても罪悪感があります
美味しく食べていただく事が供養になると信じ 丁寧な仕事を心がけています
身に付いた血は洗い流しません
「血もまた旨味」 師匠の言葉です
捌きたては血も旨味となりますが 捌いたものを仕入れた場合
焼くまでに数時間かかり臭味となります
鰻の血液には毒性がありますが 加熱すれば安全です
青背腹白! 良い鰻です
備長炭を熾します
「これからはガスや電気の時代になるが、鰻だけは炭で焼け」
と初代(私の祖父)が言っていたと亡き母から聞き 守っています
紀州物は入手困難なので土佐の備長炭です
それでも高価なので頭がイタイ!
使い捨て容器にお詰めするとこんな感じです
一本を二人前にした「半割り」
こちらは返却用容器にお詰めしました
【兵庫県産生蛍烏賊・こぼれ梅漬け】
「こぼれ梅」とはみりん粕のことです
満開の梅の花が咲きこぼれるさまに似ている事からそう呼ばれます
何とも趣のある表現ですね
満開の桜花が川面に流れゆく「花筏」という表現も心に響きます
さて! 凍結殺虫処理された生ホタルです
沖漬け(醤油漬け)はありきたりですが 調味したみりん粕で漬けると
ほんのり甘味とコクがありサイコーに旨いです(手前味噌ですが・・)
目・口・軟骨を丁寧に取り除きます
生ホタルはボイルに比べ柔らかいのでホント難儀です
粕床にガーゼを敷き並べていきます
その上にガーゼを被せ
調味したみりん粕を均等に置いて仕込み完了
こんな風に販売もしてます
酒の肴に 熱々ご飯に乗せてお召し上がりください
【富山県産蛍烏賊】
釜揚げホタルイカをぬたと天婦羅用に掃除します
この様に一匹一匹丁寧に 目・口・軟骨を取り除きます
この後 酢水で綺麗に洗い
ザルに取り出番を待ちます
【花わさび昆布醤油漬け】
静岡産の花わさび1キロ
まず 良く洗浄しゴミや砂等を落とし
軸が太いので今回は花と葉 軸を分けます
軸は2~3センチにカットします
大鍋に75~80℃のお湯を沸かし 軸を入れ
一呼吸おいてから花と葉を入れ ザルに取ります
湯温が高すぎたり低かったりすると辛味が出なかったり
苦味が強くなったりするので 必ず温度計で確認します
事前に塩昆布と少量の砂糖を入れたタッパーを用意しておき
そこに両手でしっかり水気を絞り入れていきます
(火傷しない様両手を冷水で冷やしながら)
蓋をしてタッパーを激しく上下 左右 前後に振り怒らせます
出汁醤油を入れもう一度激しく振り馴染ませたら
しっかり蓋をして冷蔵庫で冷やしたら出来上がりです
両手で絞ることで繊維が壊れ 怒らせることで辛味が増します
出汁醤油は市販のめんつゆで代用できます
【仙台牛三角バラ】
東京食肉市場から直送
さすが仙台牛!
9.1キロありますが下処理後はどれくらいになるのか
左のボウルが脂(3.63㎏) 中がスジ(0.78㎏)
右が小肉とバラ山(1.6㎏) 手前が精肉(3.09㎏)
ナ・ナント! 3分の1です 高級なわけですよね
こちらが大トロ部分 「カルビステーキ」用です
こちらが「カルビ丼」用です
ステーキカット
この後真空パックして冷蔵庫に保管 あとは出番を待ちます
【林檎釜】
久々のリンゴ釜
懐石弁当の一品です
【金柑蜜煮】
宮崎県産の大粒金柑です
パックから取り出し流水で洗います
半分に包丁し
この様に種を竹串で一個ずつ丁寧に取り除いた後 熱湯に通します
水に砂糖を加え沸いたところに金柑を入れ ひと煮立ちしたら
火を止めアクをすくい完成です
通常蜜煮は砂糖だけで作りますが
当店では少量の柚子果汁を加えます
味が締まり より美味しくなります
【香箱蟹】
京丹後の魚屋さんから直送です
松葉蟹のメスで セイコ蟹 セコ蟹とも呼ばれます
胸のふんどしにはプチプチの外子がびっしり!
甲羅にはホクホクの内子と味噌がタップリと詰まっています
足の肉はすりこ木をくるりと回せば奇麗に出せます
左が外子 右が味噌と内子
手前左が足肉 右が肩肉です
甲羅の中に盛り込みます
土佐酢ジュレを掛けて完成!
次に寒天寄せを作ります
蟹の殻 利尻昆布 水で出汁を取ります
流し缶に足肉をこの様に広げ
内子 外子 味噌 肩肉を混ぜ合わせたものを
上に敷き詰めてこのまま冷凍します
硬く凍ったのを確認したら 周りに氷を詰めます
凍らせずに温かい地を流すと 所々浮き上がってしまいます
蟹出汁にテレットとパールアガーを加えた寄せ地を流します
表面の気泡をバーナーで取り冷まします
冷蔵庫でしっかり冷やしたら 切り出して盛り付けます
若布を敷き胡瓜を乗せ土佐酢ジュレが掛けてあります
(画面中央楕円枠内)
【牡蠣時雨煮】
兵庫県坂越産の生牡蠣3キロ
坂越の養殖業者さんから直送です
タップリの塩で汚れやヌメリを落とします
水を替えながら指の腹で優しく洗います
こんな感じになればOKです
醤油 酒 味醂 ザラメを煮溶かし 沸いてきたらカキ投入
落し蓋をして浮き出るアクは奇麗にすくい取ります
煮汁が半分になったら千切り生姜投入
この様に煮詰めたら完成です
海老ちゃんとご一緒してます
【唐墨・カラスミ】
大阪産のボラ卵7腹です
表裏の血管に沿って小刻みに針を刺し
一晩水に浸け血抜きをします
不十分なので再度針を刺しもう一晩水に浸けます
血が抜け水が赤く染まっているのが分かりますか?
これでOKですね
タップリの塩をまぶし水分を抜きます
一晩寝かせ 硬さで水分の抜けを確認します
次に塩出しの為 焼酎に浸けて冷蔵庫で一日
ペーパーを敷き重石をして一日干すと
この様に水分が抜け形も決まります
ここからはお天道様と寒風にお任せします
一日干したら裏返し 又一日干したら裏返しを繰り返します
だんだん飴色になってきました
干し加減や日数は 大きさや用途 料理人の好み
気象条件等で変わります
今回は約半月(3週間弱)で良い感じになりました
切り落とした肉片の脂を出来上がったカラスミに塗り
真空パックして保存します
調理するときは薄皮を剥きます
3ミリ厚に包丁し バーナーで炙れば
「自家製炙りカラスミ」の完成です
【子持ち鮎煮浸し】
色 艶共に素晴らしい妊婦さん? ですね
この様に串を打ち
ごくわずかな塩を当て素焼きにします
焼き上がったら急冷し 冷蔵庫に入れ一晩芯まで冷やします
放射状に並べます
たっぷりの水を注ぎ少量の酢を加え強火で沸騰直前まで加熱し
沸いてきたら中火で1時間~1.5時間煮て
余分な脂やアクをしっかりと取ります
この後流しに移動させ流水を入れて冷まし 水の濁りが取れたら
煮ザルごと上げて水分を落とします
水気が取れたら新しい大鍋に煮ザルごと戻し
煮出し汁用の地を張り沸いてきたら甘味を加え
約1時間~1.5時間弱火で加熱します
その後急冷し もう一晩冷蔵庫で休んでもらいます(笑)
強火にかけ沸いてきたら 醤油と少量のたまりを加え
1時間~1.5時間加熱し急冷してお決まりの冷蔵庫で
またまた一泊してもらいます(大笑)
仕上げは鍋の煮汁に調味料を加え短時間で色艶を出します
加熱と冷却を繰り返すことで味が重なり
骨まで柔らかくなります
甘露煮ほど味は濃くなく 卵の一粒一粒にまで味が浸み込んだ
当店の煮浸しを是非ご賞味下さい
お土産用 テイクアウト用に真空パックした商品もございます
(お渡しから賞味期限2ヶ月あります)
生ハランを敷き 召し上がりやすいように切り出し
稲穂を揚げ 前盛には杏甲州煮を添えました
【フォアグラ・ド・オア西京焼き】
ハンガリー産ガチョウのフォアグラ1包約800gです
血管を取り除いてカットしていきます
この様に包丁をバーナーで温めながら慎重にカットします
余分な力が加わると割れたりするので慎重に 慎重に・・・
京都産・長野産の西京味噌を合わせ 煮切り酒でのばした味噌床を
作り 味噌が付かない様ガーゼを敷きフォアグラを並べます
この作業を繰り返し漬け込み完了!
厚めのカットなので1週間程かかりそうです
柔らかく炊いた大根ステーキを敷いて今回は鴨ロースソース煮を並べ
その上にフォアグラ西京焼きを乗せて完成です
特別懐石は鴨ではなく飛騨牛又はブランド牛のヒレステーキを
サンドします
【岐阜ボーノポーク】
4.3キロのバラ肉
調理工程で余分な脂や水分が抜け 仕上がりには約3キロになりました
フライパンに合わせ切り分けます
表面を焼くと脂が出てくるので しっかりと
ペーパーで拭き取ります
焼き上がったら利尻昆布と香味野菜を加えた水に入れ強火で加熱し 浮き出るアクは取り除きます
沸騰してきたら中火に落し煮込んで行きますが
この間もアクはしっかり取り除きます
今回はとろける様な食感にしたいので 約2時間煮込んで急冷し 冷蔵庫で一晩寝かせます
翌日にはこんな感じになってます
凝固した脂を奇麗にすくい取ると 澄んだスープの中からお肉が顔を出します
このスープは漉して漬けダレや掛けダレを作る際に用います
お肉のイノシン酸と利尻昆布 野菜のグルタミン酸がおててつないだ旨味タップリの叉焼です
この後型良く包丁し漬けダレを入れ 真空パックします
約1時間加熱し急冷させると完成です
岐阜ボーノポーク炙り叉焼丼 ご賞味下さい!
【鱧椀】
徳島県淡路産の700gサイズです
低温のお湯に晒し 氷水で〆て
ヌメリをきれいに取ります
肛門から一気に顎先まで包丁を入れ
エラごと内臓を取り出します
開いて中骨を外し腹骨を鋤き取り
背びれを引き外します
頭や中骨等は焼いた後 出汁取りに使います
リズム良く骨切りします
この後葛粉を打ち 沸かした昆布出汁にくぐらせ
御椀に取ります
これは鱧の肝です
ごま油と荒塩で食べるとサイコーです!
(私の密かな楽しみ・・・板前の特権!!)
【天然平目昆布〆】
2枚で8.6キロの大平目です 約70センチ
柳葉包丁でウロコを鋤き引きします
左下(オレンジ色)は卵です
しっかりとペーパーで包み冷蔵庫で寝かせます
5枚に卸して皮を引き薄塩を当てます
左上はエンガワです
浮き出た水分を吸わせます
当店ではこの高級な龍皮昆布を使います
この様に龍皮昆布で挟み真空パックします
真空にする事で昆布の旨味がグッとしみ込みます
【飛騨牛ローストビーフ】
今回は9.7キロ 素晴らしいサシが入っています
BMS(サシの細かさ)10以上ですね
前回 カブリを外し掃除する場面を紹介させて頂きましたので 今回は調理工程をご覧下さい
冊取りしたもも肉 右が特上 左が赤身が強い部分です
クレイジーソルト 黒胡椒 ガーリックパウダーで味付けし
赤ワインを掛け しばらく馴染ませます
掃除の時出た脂を溶かし
表面(6面)を焼きます
焼き過ぎは厳禁です
特上部分が焼き上がりました 急激に冷やし真空パックします
加熱温度と時間は企業秘密!
長い工程と時間をかけて完成です
「川辺おうちごはん」の飛騨牛ローストビーフごはんを是非!!
【鮎塩麹焼き】
大垣産鮎12入り 5枚 60本
この様に手早く三枚に卸します
この後腹骨を鋤いて塩で揉み玉酒で洗います
中骨は姿煎餅にします
玉酒とは酒と水を合わせたものです
ヌメリや汚れを奇麗に落とすと こんな感じに上がります
中骨も奇麗に洗い 水分を切ります
吸水シートでしっかりと水分を取り ボウルに入れ
米・麦合わせの塩麹を 鮎の重さの一割程入れ混ぜ合わせます
ラップでしっかりと密封し 冷蔵庫で一晩寝かせたら
軽く焼いて「鮎の塩麹焼き」完成です
頭付きの中骨もカリカリに揚げて姿煎餅にし共に盛り付けます
今回はこんな感じに盛り付けました
【玉蜀黍 トウモロコシ】
玉蜀黍で料理屋ならではの一品を作ります
四等分にカット
包丁でぐるりと一周 芯から外します
海老を練り込んだすり身を詰め元の形に戻します
ラップで整えて蒸します
一晩冷蔵庫で冷まして出来上がり
この様に切り出して
「川辺おうちごはん」
ごちそう懐石(上段)の一品に
因みに下段はこんな感じです
献立表をお付けしています
【苦瓜 にがうり・ゴーヤ】
流水で砂やごみを流し半分に切り
ワタを取り除きます
内側に塩を擦り込みます
透明感が出てきたら2~3ミリ厚に切り出し
塩揉みします
たっぷりのお湯で色出しし 氷水に30分程浸け
塩気が抜けたらザルに上げます
両手でしっかりと水分を絞り 濃いめ(味)の
土佐酢に仮漬けします
冷蔵庫で一日寝かせ水っぽくなった浸け汁を流し 新たにたっぷり注いでラップを掛け蓋をし本漬け終了です 約5日で食べ頃になります
スルメ 昆布 人参を千切りし同様に漬けます
使用する分をザルに取り苦瓜と混ぜ合わせ十分に汁気を切り削り節で和えます
この時たっぷりの針生姜も忘れずに!
【三河一色産新仔鰻 シンコウナギ】
関東は背開き 関西は腹開き
当店は腹開きで直焼きです
関東式の「蒸し」の工程はありません
手早く捌き 串打ちします
肝は椀種 焼等に 骨はカリカリに焼く又は揚げて塩やカレー粉末でまぶしたり
ポン酢卸で食べても美味いです
備長炭で香ばしく焼き上げます
うちわで扇ぐのは 火力調整や煙を鰻に戻すためです 燻製の原理ですね
蒲焼はこの後 二度のタレ掛けをして完成します
素焼き(白焼き)完成
熱々をポン酢山葵で食べるとサイコーです!
【生じゅんさい】
袋から取り出しボウルに入れます
ヌルがとれない様 優しく水洗いしザルに上げます
色出し後 氷水で落ち着かせると鮮やかな緑色に
自家製ポン酢ジュレで召し上がって頂きます
【伊佐木 イサキ】
水洗いして出番を待ちます
身は炙りが一番!カマや頭は汁・焼・煮付けに
真子 白子は用途多彩
【飛騨牛内もも肉・A5等級】
12.8キロの内もも肉 カブリを切り離しました
表面の脂 薄皮 スジを取り除きます
さすがにA5 サシ 身質共バッチリです
カブリの脂やスジも取り除きます
奇麗に掃除できました
12.8キロのお肉が約9キロに・・・
上の塊を切り分け ローストビーフに用います
【帆立貝】
開けると人と同じで1個々顔が違います
指先で弾くとグニュッと反応します
活き良し!
ワタを取り除き掃除した貝柱とヒモです
ヒモは軽く湯通ししてあるので食感が良くサラダや和え物に
柱はもちろん刺身や炙りで 梅肉和えも美味いですよ
【林檎 リンゴ】
長野県産のシナノスイートで林檎釜を作ります(この林檎ホント美味しいです)
まずはリズム良く飾り切りします
蜂蜜水に浸け変色を防ぎます 塩水より効果が有る様に感じます
1個作るのに約3分かかりますが お客様に喜んで頂けるので心を込めて仕上げます
【鮟鱇 アンコウ】
おなかを開けるとプリップリの肝が! これが一番のご馳走
硬い骨以外はすべて食べられます(エラや皮・内臓も) 掃除が大変ですが・・・(笑)
皮を剥ぐとこんな感じです
グロイですが癖がなく美味しい魚です
皮や軟骨等 コラーゲンタップリ!
この後丁寧に処理し大皿に盛り付けます
当店では鮟鱇の持ち味を活かす為 鍋は利尻昆布と鰹の出汁で 煮上がりにポン酢・紅葉卸・浅葱で食して頂いてます
ご要望がございましたら味噌味も準備させて頂きます